貴樹の独り言

喜寿の気楽なお一人様生活のあれやこれやの記録です

パッチワークは瞑想の時間です。

 

 

2021年12月24日に、

春から作り始めた

パッチワークのクリスマスツリーが

何とか間に合って出来上がりました。

 


暇で、尚且つ気が向いた時に、

一日1時間程、

チクチクチクチク

縫い上げた作品です。

 

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アメリカの西部開拓時代、

母親達が家族の為に

 

寒さを防ぐお布団として、

貴著な布を再利用して

 

暖炉の側で毎晩手仕事として

 

ベッドカバーなどを

作っていたのが、

パッチワークキルトの始まりです。

 

 

大草原の小さな家

赤毛のアン

若草物語

 


どれにも

必ず登場しているのが、

美しいパッチワークです。

 


緻密で美しいそれらの物が

子供達を守る物として、

母親の家族愛の象徴として

描かれています。

 

 

そんな物語に感激して、

私も〜と思って作り始めて、

もう40年です。

 

 

 

思い出の布を

小さく切り分け、繋ぎ合わせる

 

その作業を

 

毎日の中にある

少しの余った時間を使って

 

形にして行くの事で、

新しい形ある物が、

この世界に誕生してくるのです。

 


完成には、感動しかありません。

 


でも、

現在は、作る人が減っているみたいです。


針を持ってコツコツ縫う為に

時間が大量に必要で、

 

経済的生産性が有ると思えませんし、

 

経済性が生じない物に

価値を見出せなく無くなった

社会のせいかもしれません。

 

寂しいことですが。

 


そして、

疎外感に敏感な今の人達は、

 

慌ただしく流れて行く時間のなかで、

流れの外へ出て、

 

一人で同じ場所に留まり、

針を動かし続ける孤独感に

耐えられないからかもしれません。

 


でも、

チクチクと縫っている時は

正に瞑想状態で、

自分の内側との対話の時間なのです。

 


自分の意識が

静かで深くなったと感じさせてくれ、

 

無意識レベルに触れられる様な、

 

哲学的意識への感覚を感じられる様な、

 

得難い時間となる筈なのです。

 

 


経済性や合理性だけでの判断は

 

ある意味、

もったいないんですけどね。

 

難しい話はこの位にしておきます。

 


ところで、私は

何事も先ずは

目標設定してからスタートする

癖があるので、

 

パッチワークを始める時も、

 

生涯でベッドカバーを30枚作る

 

なんてとんでもない数を

目標にしてしまいました。

 

 

そんな、

とても到達出来ない数字の筈だったけど、

 

拘らず、適当にボチボチ

作り続けて来たら

 

なんと、

間も無く達成しそうなのです。

 

 

でも、

物を「あげる」癖があって、

手元には数枚しか

残っていません。

 


お祝いやお礼に、健康を祈ってなど、

様々な理由で

 

人にプレゼントしてしまうので、

作品達は殆ど

手元から離れて行きました。

 

 

人は例え迷惑でも

一針一針手作りされた物を

粗末に捨てないだろうし、

 

例え、

隅に追いやられたとしても、

その家に長く存在しているだろうし、

 

 

その物が存在していれば、

作った時間は

自分が存在していた証しだし、

 


もしかしたら、

何かの拍子にフッと思い出して

懐かしんでくれるかもしれないし、

 

それが、

自分の生きていた証しになる。


なんていう 独りよがりの

若かった頃の青臭い思いが

 

ずっと

続いてるんですよね。

 

 


それでも、

大切で思い入れがある数点は

手元に残しています。

 

その作品の一つ、

明治時代の古裂を

細かく接ぎ合わせたタペストリーは、

ベッドの横に飾られていて、

 

処女作のベッドカバーと共に

毎晩 睡眠のお供をしてもらってます。

 

 

明治時代のお宝と共に

お一人様は、毎晩熟睡しています。

 

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