貴樹の独り言

喜寿の気楽なお一人様生活のあれやこれやの記録です

今更ですが、村上春樹を読んでます。


本を読むのは大好きで、

毎週一回は書店に行くのが日課です。


新宿紀伊國屋書店

広い平台に一面に並べられた

本の帯を読みながら

今日の出会いを探して書店を

うろうろしています。

 


本は不思議な「気」を発していて、

その時の

自分とリンクするのです。

 

まるで、出会いを待っていたかの様に、

その本と目が合ってしまいます。

そこには、事前の情報もデータも存在しなくて、

ただ、出会うだけです。

 

例えば
2年前のある日、出会ったのが

「満願」です。

 

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読んだ事も聞いた事もなかった作家でしたが、

放たれている光線に惹かれて読みました。

 


汗ばむ様な熱気と

重厚さの有る小説でしたが、

その後、

NHKBSドラマになり、

 

作家の米澤穂信は、「黒牢城」で、

今年の直木賞を獲得されたし、

本屋大賞の有力候補にもなっているそうです。

 

かなりのお宝発見だと嬉しい限りです。

 

ネットの情報が無くても、

リアルな物が放つ

エネルギーとのご縁を感じる事が出来、

自分にとっての有益な何かを発見出来るのも

一つの才能だと悦にいってます。

 

ただの、自己満足ですけどね。

 

 

でも、そんな出会いを感じながらも、

意識的に見て見ぬふりをする時もあります。

 


それが、村上春樹の本でした。


ノルウェイの森を始め、

世の中でもてはやされた

数々の村上作品を、いつも横目で見ながら

意識的に避けて

長い年月を過ごして来ました。

 


青春時代、

通学の途中で気になる異性がいるのだけど

目を合わしてしまうと片思いに落ちそうで、

無理やり気付かないフリをして

通り過ぎるみたいな態度で居る、

なんて経験は

誰でも有るのかな?

 


貴方はモテるけど、

私は関心無いのよ〜と、無視を装うなんて、

何も生み出さない自意識過剰反応としか

言えないけど、

そんな青臭い反応が、長い年月

村上春樹の本から私を遠ざけていたのです。

 

 

そんな、

村上春樹の本でしたが、
昨年のある日、

とうとう一冊の本を手に取ってしまいました。


それは、短編集です。

 


そして、やはりたった一度の出会いで

すっかり虜になってしまいました。

 


まるでドローンの様に、

彼方の高みから俯瞰した様な視線。

 

現実の世界と薄紙一枚で仕切られている様な

別次元からの視点。

 

英語で書かれてから日本語に訳された様な

簡潔な文章。

 

乾いてクールな文体とお洒落なシチュエーション、


春樹ワールドの、

独特な世界観に魅了されてしまいました。

 

物事を斜めに見るみたいな、

尊大な態度は

何も得られずもったいない行為ですが、

若気のいたりとも言えない歳になって

素直に読み始められるご縁が有って、

世界観が広がったのはラッキーでした。

 

同時に、

同じ様な拘り事が他にもないかと

見直すチャンスにもなりました。

 

村上春樹作品は沢山ですが、
ただいま短編集を古い方から順に読破中。

 

次は、

長編を新しい方から読破する予定です。

 

でも、

村上春樹を仲間で語るなんて恐れ多い事は

置いといて、

一人で楽しむだけにしておきます。

 


「女のいない男たち」の中の

ドライブ.マイ.カー が、映画になり、

カンヌ映画祭脚本賞など受賞、

今年のアカデミー賞有料作品となっているとか。

 

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村上春樹の乾いたクールな文章で書かれる

俯瞰したかの様な異次元感の有る視点は、

内容に関わらず、

不思議と読後感を幸せに満たしてくれるので、


原作の匂いをどれだけ、

映像化しているのだろうか?楽しみです。

 


お一人様的には、

「ハナレイ.ベイ」なんか好きですが。