貴樹の独り言

喜寿の気楽なお一人様生活のあれやこれやの記録です

引き篭もって解いた着物でリメイク。

着物で作った洋服が沢山あります。


長年の趣味の一つが

着物を解いて洋服にリメイクする事です。


30年ほど前、人間不信になって

家に引き篭もった時がありました。


一生懸命やってきた事が、

裏で裏切られていたと分かった時、

結構いい歳でかなりの修羅場を潜って

来ていたにも関わらず、

まるで、

青臭い若者の様に深く傷ついたのです。

 


他人から見たら

「なんでそんな事ぐらいで?」

と思う事でも、

本人にとって心臓に突き刺さる

くらいの事になるのだと

その時に知りました。

 

相手は親身になった優しい言葉で

裏切ったつもりは無かった…

かもしれませんが、

 

言葉の意味は、

発した本人の本意と関係無く、

受け取る側で

判断されてしまうものだと

学びました。

 


真意と誤解を言い合えてる間は

相手に対して

関係を繋ぎたいので、

シャッターは開いているけど、

 

シャッターを閉じてしまったら

何も言わずその場から去るだけです。

 


なので、

今まだ言い合えてる関係ならば、

繋がりたいのですから

大事に対処しないといけません。

 


兎に角、シャットダウンしたので。

心を守るには一刻も早く、

全ての環境から

身を隠すしか無いと判断して、

身内以外は知らない場所に

引き篭もりました。

 

 

 

知っている人の誰とも会いたく無いので、

食事の買い物以外は外にも出ず、

ひたすら本を読んだり、

音楽を聴いたりの毎日でした。

 


毎日、毎日だだ何もしないで居る内に、

フッと、

母や叔母が残した着物を手入れしようと

取り出して整理している内に、

これらをもう着る事は無いのだから、

解いて

今着れるものに作り変えようと思い

迷わず鋏を入れました。

 


先ず、

襟から始めて、

奥身、袖、脇、背と解いて、

ぬるま湯で洗って、アイロンを掛けて

反物に戻します。

 


反物になるのが面白くて、何枚も何枚も

解きました。

しまいには、

古着を買ってきてまで解き始めました。

 


今、思うと

やはり少し病んでいたのでしょうか?

何しろ解いた枚数が半端ないですから。

 


でも、

古い着物を解いていると、

思いがけない所に綻びが有って、

そこを細かく繕ってあったりします。

 

大事な着物を丁寧に

手直ししながら使っていた

女性達の姿が見えて来る様でした。

 

また、

見た目に分からないように

細かく繕ってあるけど、

細かく切られている着物が有って

間違えてハサミを入れてしまった人が

どれほどの思いで

暗い灯の下で繕っだのだろうか?

と想像したりしていました。

 

 

まるで

瞑想をしているかの様に

黙々とただ解いているだけの

毎日でしたが、

解く事で過去の沢山の人達と

会話しているかの様な

毎日を過ごしている間に、

心も落ち着いて

再度前向きに世の中に出れる

力を貰えたと思っています。

 

今思うと、

自分には必要な時間だったのてす。

 


それから、

何枚も何枚も解いて、

何枚も何枚も、洋服を作りました。

 

今になると、

そんな自分自身が愛おしく、

懐かしい日々です。

 


お気に入りのリメイク服を

いくつかを載せておきます。

 

 

上着とブラウスは赤い襦袢と留袖。

スカートは、赤い柄の入った羽織。

スカーフは、留袖の残りとアンティークレース。

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白大島の着物でロングシャツ

スカーフは、絞りの端切れから。

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上着は、

色大島の端切れをパッチワークした物。

スカートは、

色々な端切れを縦に繋いで巻きスカートに。

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上着は男物の羽織の龍の柄の裏地で。

ネックレスは、龍の玉で作った物。

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縮緬の着物から、ベストとパンツに。

上着は、黒の無地の羽織から。

同じ布をベストの裏地に使ってるので、

ベストはリバーシブルです。

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