貴樹の独り言

喜寿の気楽なお一人様生活のあれやこれやの記録です

マドンナの優しい眼差しを。

 

毎日、

ウクライナの状況が報道されるにつけ

21世紀になっても変わらない

権力者の強欲の怖さを見せつけられ

心が痛くなります。

 

マドンナの優しい眼差しは

現代にも届くのでしょうか?

 

アメリカのシンガーの

マドンナではありません〜念の為。

 


イタリアルネサンス時代に

ラファエロが描いた聖母画を総称して

ラファエロのマドンナと言います。

 


ラファエロは、

ラファエロ.サンティと言い、

イタリアルネサンス時代の

1483年に生まれ

37歳と若くして亡くなっていて、


レオナルド.ダヴィンチ、

ミケランジェロと並ぶ

ルネサンスの三大巨匠といわれています。

 

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当時のイタリアの財閥、

メディチ家の庇護を受けて

バチカンの壁画などを

描いていたラファエロは、

数多くの聖母子画を描きました。

 


その数は、約20点ほど。

 

ラファエロのマドンナ画巡りをテーマに

ヨーロッパに行く人も沢山います。

 


それらの中でも、一際有名なのが


「システィーナのマドンナ」

ドレスデン アルテマイスター絵画館所蔵

 


「大公のマドンナ」

フィレンツェ、ピッティー宮殿所蔵

 


「小椅子の聖母」

フィレンツェ ピッティー宮殿所蔵

 


の三作品です。

 

 


旧東ドイツドレスデンに初めて行ったのは、

2005年9月でした。

 

約17年前、

旧東ドイツからメルケルが初めて立候補し、

首相になった年で、

ドレスデンの町中あちこちに

メルケルの選挙ポスターが貼られていたのが

今でも記憶に残っています。

 


まだ、

東西ドイツが統一されて10年程で

東ドイツだったドレスデンは、

第二次世界大戦の爆撃で残った瓦礫が

再建に利用する為に

山の様に積み上げられていて、

建物工事や公共インフラ工事で、

街中埃っぽくて、

騒がしかった記憶があります。

 


その中で訪れたのが、

アルテマイスター美術館でした。

 


ラファエロのマドンナ画は

少し知識があったので、

それを楽しみに行ったのですが、

 

ドイツの宗教画が数多く飾られていて、

あまりの重厚さに

見て歩くだけで疲れ果てて、

一番奥に辿り着く頃には

かなりへばっていました。

 

 

そんな時、

目の前に飛び込んできたのが

「システィーナのマドンナ」でした。

 


一番奥のスペースだけ人が多くて、

違う空気感が満ちていましたが、

システィーナのマドンナは、静かにそこに

佇んでいたのです。

 

 

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想像以上の美しさに思わず息を呑んで、

前にあるソファに腰掛けて、

長い時間

見惚れていました。

 

 

ラファエロの絵は

なんと柔らかく優しいのでしょう。

 

それまで見たことも無い美しさの感動で

胸が一杯になったのを

昨日の事の様に思い出せます。

 

 

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この絵の下方に描かれている天使は有名で、

天使と言えば

このモチーフが使われていますし、

日本では

サイゼリヤの壁紙になっていることでも

知られています。

 

 

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それからずっと

その時のマドンナの感動が忘れられず

2018年に友人達と

再度ドレスデンに行きました。

 


マドンナは相変わらず

美しい姿で佇んでいて

以前と同じ感動を貰いました。

 


この美術館にはもう一つ

世界中から人を集めている

フェルメール

「取り持ち女」「手紙を読む女」も

常設展示されています。

 

 

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ただ、ドレスデンの街は

工事もすっかり終わっていて

静かな街になっていましたが、

反対に活気も無くなっていました。

 

 

 

2017年には、

イタリア、フィレンツェに行き、


そこで、

ラファエロの残り2点の

マドンナと対面出来ました。

 


川沿いのホテルから徒歩で

有名なポンテベッキオ橋を渡って、

ティッピー宮殿に行き

ルネサンス文化に

思いっきり浸らせてもらいました。

 

 

ティッピー宮殿には、
いくつもの部屋があって、

それぞれの部屋に

沢山の絵画が飾られていました。

 

 


まず初めにお目当ての

「大公のマドンナ」

が目の前に現れました。

 

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次の部屋には

「小椅子の聖母」です。

 

 

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長年の念願だった

ラファエロのマドンナ2点とのご対面です。

 

 

どちらも、この世の物とは思えない

神々しい美しさです。

 

正に、文字には出来ない〜としか

言えません。

 

 

本物が持つ特別なエネルギーは

540年を経ても

確実に伝わって来るのです。

 

聖林寺の十一面観音像や

薬師寺月光菩薩像などと同じ

現世を超越した

荘厳さと美しさのエネルギーです。

 

 

この神々しい美しさは

この時代で完結してしまって

これ以上のものは出てこないのだと

感慨深いものがありました。

 

ラファエロモーツァルト

天からこの世に授けられた宝物なのです。

 

 

 

驚く事に、

どこの部屋にも
ラファエロだけでなく、

ダ.ヴィンチ、ミケランジェロなどの、

もし、

サザビーオークションに出品されたら

数億円どころか数十億円は下らない名画が

すぐ手がどどくところに

飾られていました。

 

 

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しかも、監視人も居ません。

 

ヨーロッパにおける
名画とのあまりの距離の近さは

感動が直接伝わって来ますが、

絵画が持つエネルギーにある種の

緊張感をも感じてさせられました。

 

 

 

ラファエロ

海外には出品されないので、

見る為にはヨーロッパに

行くしかありませんが、

コロナ禍もあり、年齢も有るので

今後は分かりません。

 

 

人生の中で

出会えるチャンスに恵まれて

与えられた幸運に感謝しかありません。

 

 

今、

ラファエロのマドンナの

優しい救いの眼差しで、

ウクライナに一日も早い平安を〜と

願わずにはおれない

お一人様です。