貴樹の独り言

喜寿の気楽なお一人様生活のあれやこれやの記録です

寄席は面白い

 


紀伊國屋寄席に行ってきました。

 


紀伊國屋ホール

毎月定期的に開催されている

寄席。

 

コロナ禍の時は暫く停止されていたけど

再開されていたので、

早速予約しておいたのです。

 

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寄席の文化は

江戸と浪速では違っていて、

大阪では、

少々馬鹿笑い風に大笑いなんだけど、

東京では、

ザワザワと笑いが広がる静かな笑い〜

って言うところでしょうか。

 

 

小学3年生頃まで、

元校長先生をしていた

親戚のおじいさん夫婦の家に

時々泊まりに行ってました。

 

おじいさんの趣味はラジオを聴く事で、

夜、お布団に入ると必ず

ラジオをかけるのです。

 

毎晩、眠るまでの間に

NHKのラジオドラマや落語、漫才などが

聞こえていてそれも楽しみでした。

 

まだ子供でしたが、

落語は内容が分かる話が多くて

名人と言われた先代の志ん生、金馬などは

子供心にも

面白かった記憶があります。

 

どんな芸能でも、

子供には難しいなどと言う人も居ますが、

本物は子供でも何かを感じる筈ですし、

何かを覚えている筈ですので、

接しておけば

いつか大人になった時、知識の財産になります。

 

 

脱線、

紀伊國屋寄席の話ですね。

 

ホールの壁の飾りの

不思議な模様が目に止まって

丁度、

地震の時は指示に従って下さい〜

のアナウンスが入ったので、

「落ちないかな?」

 

こちら側にもあるので、

いざという時のシュミレーションを

想像して、

ちょっと心配しました。

 

これも、

落語とは関係ない脱線です。

 

 

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席はほぼ満席。

 

20〜30代もかなり居るし、

中心は50〜60代かな?

 

女性が半数くら居て

なかなか

明るくて盛況な雰囲気でした。

 

 

お隣の席は、高齢のご夫婦ですが、

持ち物と身なりから

かなりの裕福なご夫妻みたいです。

 

案の定、暫くすると

ホール関係者が挨拶に来られてました。

 

 

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開始前に先ずは前座が一席。

取り敢えず話の筋を

間違いなく喋るので精一杯な時です。

 

みんなここから始まるのですよね。

 

長い年月を掛けて

名人になる人はほんの一握りだけど、

積み重ねて行く芸があるのは

羨ましい人生だなって思うのは

この歳になったからなのでしょね。

 


いよいよ、開幕。

先ずは、柳家やなぎ「親子酒」

呑んべいの父と息子の話です。

 


おじいさん、おばあさんと

呼び合う会話が

昔話の「おじいさんや〜」みたいな口調で

何だかしっくりこないんです。

 

独身の息子の親だから

お父さん、お母さんだし、

落語なら

おとっつぁん、おっかさん

なんて呼ぶはずだけど。

 

やたら年寄り風の表現の会話で、

年齢設定が気になって

イマイチ話にはいり込めなかったのは

残念でした。

 


次は、テレビドラマにも出ているらしい

イケメン落語家、瀧川鯉斗

「片棒」

ちょっと滑舌がわるいので、

話が込み入ってくると

聞き取り難いのが気になったけど、

 

木遣や鳴り物の音などは、声に艶もあって

なかなかの迫力で、拍手ものでした。

 

 

もっと艶っぽく話せる様になったら

もっと人気がでるかな?

と思うけど、

案外イケメンが邪魔をしてしまうかも?

 

落語家は丸顔が良い〜勝手な自論ですが。

 


ここで一旦幕が降りて

舞台は浪曲設定になり、

 

玉川奈々福 浪曲掛川宿」

 

浪曲を生で聴くのは

初めてで、

ちょっとついでに程度の

感覚だったのですが、

これが大変良かったのです。

 

今回の寄席は

これを聞けただけで良かったかも〜

と思えるほどでした。

 

先ずは声が通って迫力満点、

女性の声は

案外浪曲に向いているのかもですね。

 


最初は「女性浪曲か〜」なんて思っていたのが

謝らないといけない位

目から鱗でした。

 

左甚五郎と狩野宗家の

面白話なのだけど、

画面が見える様な語り口で

引き込まれてしまいました。

 

若かったら浪曲を習いたくなったかも?

また、別口で見に行こう〜!

 

 

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中入があって、

後半は2人の重鎮の落語二題。

 

入船亭扇辰 「紫檀桜古木」

 

煙管屋の話なんだけど、

流石に

おかみさんの語り口は

色っぽくて艶があるし、

女中は生意気な気配満載だし、

煙管屋は

身なりは貧しいがどこかに品がある〜

そんな3人を

声質、口調、スピード感で演じ分けている。

 

 

さすがこの辺りまでになると、

本物の落語家だなぁ

と感心してしまいます。

 


ラストは、

柳家喬太郎 「錦木検校」

 

語り演じる落語の醍醐味

みたいな作品でした。

 

落ちも無いし、

ただ人の生き様を語る人情噺で

笑いも無くただただ人間の心理を語るだけ。

 

 

まくらがあって、

羽織を脱いで演題にはいる

なんて言う手順も無くて、

ずっと羽織を着たままで、

語り切った20分間。

 

 

ライブの寄席だからこその、

落語の違う面を知った演目でした。

 


落語は江戸時代から続く古典芸能たけど、

今は

昔よりも規制も多いし

物も言葉も

見た事も聞いた事も無くて

知らない人が多くなる令和の時代になって、

これからどう残って行くのか?

 

錦木検校のなかで「メクラの私は」

と言う場面が何度もあったけど、

最初のセリフだけ

「メクラの私」 だったけど

次からは

「目が見えない私は」と言っていた。

 

落語にも

人権問題が問われる時代です。

 

 

キセル屋も、

今や

キセルを知らない人の方が多くなっているし。

 

色々な話が

変えざるを得ない状況に

なるかもしれないけど

 

時代に迎合して中身を変える事なく

色々試行錯誤しながら、

何とか頑張って残って欲しい文化です。

 

 

次回はこちらです〜!

宣伝係りか?

 

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「らくだ」が楽しみ!

 


来月は大衆演劇も見に行く予定です。

 

色々楽しまなくっちゃ!